世界最古の犬
写真はアフリカ原産の、バセンジーという犬種です。一見するとどこにでもいるような犬に見えますが、その歴史はとても古く、古代エジプトの壁画にもバセンジーと思われる犬が描かれているほどです。
アフリカ大陸のコンゴ原産のこの犬種は、現地の人々がが狩猟犬として大切に飼育していたもの。
古代エジプトのファラオの霊廟の壁画にバセンジーと思われる犬が描かれています。
この壁画は紀元前3600年頃のものだと言われているので、バセンジーは世界で最も起源の古い犬種の一つと言えるでしょう。
現在でもバセンジーの原型とも言うべき犬がザイール周辺で狩猟犬として活躍しています。
19世紀の末ごろ、アフリカを探検していたイギリス人がこの犬種に興味をもち、20世紀初頭に数頭のバセンジーが、アフリカからイギリスに持ちこまれました。この犬種の最大の特徴は、吠えない犬であるということ。
これは狩猟の際に不用な吠声をあげて獲物に感ずかれることのないようにとの見地から、改良を重ねられた結果だと考えられてます。
バセンジーの鳴き声
「吠えない」とは言っても、まったく鳴き声を出せないわけではなく、必要な時はコヨーテのような高音で不気味な吠え声から、キャンキャンいう声まで出すことができます。
吠えないという点だけみると、まるで都会向きの犬種のように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
やはりもともとが狩猟犬ですので、かなりの運動量が必要となり、主人の帰りをまつだけの退屈な生活は、彼らにとってストレスとなります。
また、現在流通しているそのほとんどが初期の段階でアフリカから導入された種親の子孫であると考えられ、近親交配の弊害からか様々な遺伝病を抱えていると言う点があります。
もしも飼育を検討するなら、充分な運動をしてあげられるかをしっかり考慮し、血統上の問題を改善すべく努力している優良なブリーダーから入手するようにしましょう。